森本美由紀さんが亡くなられていたと・・

2013年10月10日に胃がんで亡くなられていた・・ということを今日知りました。
亡くなられてもう半年以上経とうとしているのに今更知ったということも2重にショックです。。
偶然検索したキーワードでヒットした記事で知りました・・。

大好きなイラストレーターさんで、僕が2009年にパレットクラブに通おうと思ったのも
森本美由紀さんが講師陣の中にいらっしゃったからでした。

森本美由紀さんの影響を受けて描いたイラストレーションも結構あります。
自分の名刺にも使っているイラストも(箔押しにしたかったので単色の墨で描く必要があった)そうです。

↓名刺
賀久比佐士 名刺

↓森本さんの影響を受けて描いた絵

パレットクラブでの思い出話・・

僕がパレットクラブに通っていた時の森本美由紀さんの授業は、生徒が持ち込んだ自身のポートフォリオ(売り込みファイル)をチェックするという内容でした。
僕はその授業の日に初めて森本美由紀さんに会いました。
森本さんの絵はとても好きで憧れだったし、どういう作品を描いているかもよく知っていたのですが、顔も年齢もどんな性格の人なのかも知らなかったんです・・。

ものすごくガーリーなイラストを描いている方なので、勝手に自分の中でこんな人だろうっていう像があって
なんか優しいお姉さん風な方を想像していました。
でも実際にはものすごくてきぱきと、そして厳しい意見でも思ったことを率直におっしゃる方でした。

パレットクラブは講師の方が毎回違うのですが、あんなにきびきびとした意見を言う講師の方は初めてだったと思います。
多分ですけどその場に居る生徒さん全員がしょっぱなから面食らったんじゃないかと。

当時のパレットクラブのクラスにはたしか40人ほど生徒が居て、自分の順番が回ってくるまでに何人かの生徒さんの講評を順にしていくわけですが、
しょっぱなから結構厳し目な意見だったかと思います。

それで1番目の生徒さんに対する評価があんまりにも厳しくて、自分が心になんの準備もしてない!ということに気が付かされました。
ただ憧れのイラストレーターさんに会えるという気持ちが大半で、まるで遊園地にでも出かけるつもりでいたのがそうかここはこれから先イラストレータとして食っていけるかどうか、そういう力量を身に付けるための戦いの場だったんだな!・・と一気に目がさめるような思いでした。

僕は絵に関しては見る人にとっていろんな人の感性があるので、これが正解とか、これが不正解・・と断言できることって少ない気がしています。
なのでこれはこうだ!って言い切ってしまう人にはちょっと胡散臭さを感じてしまいます。
ですが森本さんの場合はこれはいい!これは駄目!っていう感じで断言しつつもそうは思わないどころかむしろ清々しかったです。

それは多分、森本さんの考え方と自分の考え方が似ているところが多くて共感できるところがすごく多かったからなんだろうな・・っと思います。
他の生徒さんのポートフォリオに対して指摘していることの多くがなるほど確かに自分もそう思う・・と共感できることが多かったのです。
好きな絵を描く人とその絵を好きな人って考え方が似ているのかな・・なんて思ったりしました。
絵のタイプが似ていると(レベルは全然違いますけど・・)考え方も似ているのかなーって。

授業の中でいろんな話があったのですが、よく覚えているのがポートフォリオの中に入れ込む絵の配置の仕方についてのお話。
ポートフォリオの中に縦で見る絵と横で見る絵両方がごちゃまぜになっている人のポートフォリオを見て、
(売り込みをする先の)編集者の人はすごく忙しいからファイルをいちいち縦にしたり横にしたり見てくれはしない、
横の絵を縦のまま見られたくなかったら、
縦なら縦で統一する!横なら横で統一する!
どうしても縦横織り交ぜたいんだったら自分がファイルを見せている人に対して動かす!

と。
これは当時の自分にとっては目から鱗でした。
横長の絵をポートフォリオに入れようとすると、見た人にインパクトを与えたいのでできるだけ大きなサイズのほうが良いと考えていました。
なので横長のまま縦に入れる・・と。
でも、それは本当の意味で見る人のことを考えてなかったなと気付かされました。
確かにそれまで自分のポートフォリオを人に見せた時、いちいち横の絵を縦にしないで見る人、結構居ました。
知り合いですらそんな扱いですから、初対面の営業先の人で忙しかったらいちいち縦横向きを変えないだろうな・・・って。

パレットクラブでそういった指摘をしたのは先生は森本美由紀さんだけでした。
(というかパレットクラブ以外でもいろんな学校に見学行ってポートフォリオを見てもらったりしたけどそんなこと言ってくれた人は居なかった)

その時僕は絵の実力もさることながら、相手の行動を考えた上でどのように作品を見せると良いのか…ということを考える発想力、相手の気持ちを考える心の持ちように感動したのを覚えています。
僕なんかは横の絵を縦のままで見る人に対しては失礼な人だなぁ・・としか思わず自分の側でなにか行動を起こそうなんて発想には至りませんでした。

あと個展について個展経由で仕事が来るかという質問している人がいて、その答えとして
個展なんて友達とか知り合いしか来ないわよ。そこから仕事来たなんてことあんまりないわねぇ
みたいなことをおっしゃってました。

なんかこういうことを裏表無くあっけらかんと答えているところもすごいな・・って。。
森本美由紀さんでもそうなら自分なんかなおさらそうなんだろうな・・って、仕事をとるために個展とかやったほうがいいのかどうか悩んでいた自分には結構参考になりました。
(でもその後いろんな人に話を聞くと個展で仕事が来る来ないはイラストレーターの作風や個展を開催する場所や時期やテーマにもよる・・らしい。)

自分にとってはパレットクラブの授業の中で一番印象に残っていて一番為になる授業をしていただいた先生です。
もし森本美由紀さんだけが講師の学校があったら通いたい・・そんな風に思ってました。

授業を終えて、絵から考えていた人物像と全然違ってたなぁ…と思ったりもしましたが、時がたってあの黒の筆で描かれたスタイリッシュなラインとか
基本的には黒しか使わないところなんかまさに白黒はっきりさせた性格を体現されてたんだなぁ・・・なんて思います。

もう、森本美由紀さんの新しい作品には出会えないのですね…。
悲しくなります。

謹んでご冥福をお祈りいたします。

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